6月20日の日記

2011年6月20日
相変わらずウチのノートパソコンは
自ら突然電源を落とす癖が直らず、
昨日も計4回勝手にシャットダウンした。
おかげでこちらは、この日記のために同じ内容の文章を4回も書くはめになったが、
いずれの回も書いている途中で落ちてしまったために、
ここでの発表には至らず、
ただ時間と労力を無駄にすることになっている。
この日の午前中には、潮干狩りに行った。
その思い出を楽しく、かつ美しくここに書き記そうとしていたのに、
儚い夢の如く、それらは4度にわたりコンピュータ回路の彼方へ消えていった。
今日もまた途中で落ちるつもりか?
まあいい、落ちるなら勝手に落ちろ、
急いで書いていこう、乱文悪しからずである。

内蔵の冷却装置がフル稼働で自らのクールダウンに努めるが、
それでまた熱を発する。
ウチワで扇ぐことにより、逆にそれが運動になって
汗をかいてしまうようなものだ。
いくら10年オチとはいえ、シャープ製のパソコンであるから、
実際にはそんな自家撞着してしまうようなプログラミングをしているはずはないのかもしれないが、
それから聞こえてくる異様な音や、吐き出される熱風に触れると、
どうしてもそんなことを想像してしまう。
自力で自分を冷やそうとすればするほど、逆に熱くなるのであれば、
外から別の力で冷やしてやるしかない。
オレはそう思い、ノートパソコンの熱風の排出口めがけ、
至近距離から扇風機で風を送ってみることにした。
これは予想外にかなり効果があった。
ここのところでは最長の持続時間を記録したし、
心なしか、パソコンの処理速度も幾分か上がったようにも思えた。
しかし、これはこれでパソコンで日記を書くオレにとって
快適なものとは言い難かった。
節電が叫ばれるこのご時勢と、
イソウロウという自分の置かれた身分もオレの気持ちに作用したのかもしれない。
扇風機の羽の回転音がなんとも耳障りなものに聞こえたし、
至近距離から手元だけにかかる扇風機からの風には、
いつまでたっても全然慣れることができず、
キーボードを打つ指の動きを妨げているように感じた。
しかし、そんな状態でもなんとか頑張って書き進め、
もうすぐ、潮干狩り編も感動のフィナーレを迎えようという段階まできた。

アスファルトを踏みなれたオレの足の裏には、
ちょっと前まで海底であったドロドロの砂地が優しく感じる。
裸で泥まみれの子ども達が、オレの横を無邪気に走り去る。
ずっとここに居たい…

正確に再現できているかどうかは覚束ないが、
こんな感じの妙に安っぽいセンチメンタルな調子の日記になっていた。
これはよくないぞ、と自分に言い聞かせたが、
もう文章の流れを戻すことはできそうにない。
まあ、たまにはこういうのもいいか。
オレはそんなことを考えながら書き進めていたが、
また、その一方でまったく別の考えも頭をよぎっていた。

ここまで持続したのだから、もう勝手に落ちることもあるまい。
もう大丈夫だ、、、

オレは扇風機の電源を切った。
するとほぼ同時に、「プシュー」といって、パソコンの電源が落ちた。
「クーン」の方が近かったかもしれないが、まあ、この際そんなことはどうでもいい。
どちらにしても切なく、空しい響きがその場に残った。
それが昨日の4回目であった。
オレはしばらく、パソコンのただ黒いだけの画面を呆然と見つめていた。
そして、そのとき気がつけば、
部屋のなかにはいい匂いが立ち込めている。
アルジがアサリの酒蒸しを作っているようだった。
4キロ分も取ってきたのだから、
これから当分の間は、アサリ三昧となるんだろうな。
「このパソコン、さすがにもう寿命かもしれんな」オレは言った。「
そろそろ買い替えよか」
ノートパソコンをテーブルから持ち上げた。
そして、テーブルクロスが熱で溶けかけているのに気づいて少し驚いた。

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