5月31日の日記

2011年5月31日
で、まあ、前回の続きで、土曜日に見にいった芝居について少し書きたいと思っているのだが、
そもそも自分が見ていないものについてダラダラ書かれても、
読まされているほうからしては退屈以外のナニモノでもない。
そこで、なるべくこの芝居を見ていない人でも退屈しないように
ある程度想像力を働かせれば、それなりにこの芝居を見たかのように
楽しめるものを書きたいと思っているのだが、
当の芝居がまだ千秋楽前のはずだから、
内容などについてあまり詳しくは語るわけにもいくまい。
前回も書いたとおり、筆がもたらす災いについては歳のせいか、
かなり慎重になっているので、少しでも問題がありそうであれば、
あえて沈黙を貫きたくなる人間なのだ、今のオレは。
しかし、何も語らずここに雑感めいたものを書き連ねても
また誰にも理解できないただの戯言になってしまいそうなので、
ネタバレにならない程度に、少しだけ書かせていただくことをご容赦いただきたい。
以下、本当に簡単にストーリーの概略を記す。

まず、舞台は芸能プロダクションの事務所。
そのプロダクションには、経営者と社員一人、
そしてそこそこ人気のある映画女優が一人所属していたのだが、
その女優が交通事故で謎の死を遂げる。
物語の本筋はその死により、もはや事業意欲を失った経営者の男が事務所を整理しようとしていたところに、ある出版関係の男から、彼女の追悼本の企画が持ち込まれるところから始まる。
追悼本の進展と、女優に関係した人々の追憶と証言をもとに
彼女の人生が、現在の時間のなかで再構築されていく。
彼女はいったい何者だったのか?
また、どうして死んだのか?
、、、すでに、オレの記憶が定かでない部分もあるが、
大体以上のような概要のサスペンスコメディーである。

さて、前回も申し上げたとおり、
オレの観劇歴はとても浅いものなので、
きわめて浅薄で、しかも部分的な見方しかできていないと自覚してはいるが、
そのうえで申し上げれば、
この作品はどうも後味が悪い。
現在と過去が交錯する、いや、もっと正確にいえば、
現在から生成される過去が物語を推進させていく、
プルーストやヴァージニア・ウルフなどを持ち出すまでもなく、
小説技法としては20世紀前半に流行した手法を用いていたように思えたが、
その場合、表現上は過去と現在を行き来し、また、それぞれが混入し合いながらも、
ストーリーのなかでの機軸となる時間は、SF作品でもない限りあくまでも現在にある。
一回性であるはずの過去が現在の時間のなかで再構築されることにより、
現在、または未来をも変えていくというリアリズムにこそ、
時間の流れを直線的に表現しないことの真髄があるのだと思う。
このような点からいって、
土曜日みた作品は、どうも、現在に帰れると期待していたのに、
過去に置いてけぼりにされたような感じが残り、
見終わったときに、非常に後味が悪いものを覚えた。
現在の時間のなかでの過去の再構築が、
未来につながっていないように思えたのだ。
いや、これはどうも抽象的に言い過ぎたな。
簡単にいえば、オレにはオチがどうも腑に落ちなかったということだ。
たぶん、この芝居の脚本家なり演出家は、
オレに指摘されるまでもなく、
意識的に見る側を置いてけぼりにしているのだと思うのだが、
芝居を見慣れていないオレには、
どうもその意図しているところが理解できなかった。
オレなら、蛇足になる危険性を冒してでも、
もう一歩踏み出したことだろう。
しかし、以上のような後味の悪さを覚えた一方で、
また違った感慨に浸っている自分が、見終えたときにいたのも事実であった。
思えば、芝居を見終えたとき、オレは独特なメランコリーのなかにいる自分がいるのを知っていた。
あれは何だったのか―
今思うに、この芝居の全体を覆うトーンに
「彼女はもうこの世にいないんだ……」という、絶望的なリリシズムがそこにはあったのだと思う。
そう考えると、
この芝居はこの後味の悪さを含めて、やはりこれ以外にないものだったようにも思えてくる。
すべて意図的に組み立てられたものなのだろうか?
アルジの友人を通じて、今度この辺りについてじっくり訊いてみるか。

で、下北で芝居を見た後お好み焼きを食べて、雨のなか家に帰り、
帰ってから、パソコンでこのブログページを開いて、
何やら書き出したのが前回のブログであり、日時でいえば、
5月28日土曜日の夜、いや正確にいえば、5月29日の午前であった。

翌日、目が覚めるともう午前11時くらいであった。
目が覚めてから、学生運動史マニアであるオレは「マイバックページ」なる
連合赤軍をモデルにしたらしい映画が昨日から上演されていることを知り、
アルジと一緒にいくつもりでいたのだが、雨があまりに激しかったので、
駅に着く前に挫折、結局、近所のカラオケ屋に行にいくこととなった。
カラオケも最近は進化したもので単に歌って楽しむだけでなく、
歌うことにゲーム性を添えている。
全国の通信カラオケをオンラインで結び、
一曲ごとに歌唱力をランキングしてくれるのだ。
負けず嫌いなオレは、全国1位を目指して何曲も歌ったが、
ランキングの上位半分に入るのもなかなか大変なものであった。
悪いときには400人中、389番なんてこともあった。
しかし、それでも4曲で全国1位になったのは自慢したい。
以下はその楽曲。

①「ルパン三世のテーマ」(奥田民生)
②「All apologies」(Nirvana)
③「NHKに捧げる歌」(早川義夫)
④「Savoy Truffle」(The Beatles)

以上。
なお、①②は、全国で4人エントリー。③④は、全国でも初エントリーであった。
1位になりたい負けず嫌いな方はぜひ、上記4曲挑戦あれ。

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